中野Gのスレッド

好きに書く日記でもあり、真面目に振り返る活動記でもあり、未だ見ぬ何かへのマイルストーンでもあります。

ガッチャマンクラウズの素晴らしい敵設定

TVアニメ「ガッチャマン クラウズ インサイト」に夢中になっております。
前作「クラウズ」の頃から大好きで、サントラも買って続編を心待ちにしていましたが、2015夏クールから待望の続編「インサイト」が放送開始しました。
カッコいいOPビジュアルや、岩崎琢さんのクールすぎるサウンドもさることながら、
個人的に「クラウズ」シリーズ最大の魅力は物語構造だと思っています。

http://ib.huluim.com/show/23459?size=600x337.5&region=jp


一般的なヒーローものや冒険活劇だと、基本的に敵というのは

●一般的な倫理観やヒューマニズムを脅かす存在

●「主人公」or「主人公にとって大切な人」の生命や財産を脅かす存在

のどちらかor両方だと思われます。
そのバックグラウンドとして、同情できる理由や悲惨な過去はあったとしても、基本的には上記の要素があるはずで、基本これがないと「主人公が敵を倒す」ことに対する感情移入や同調が難しくなり、観客が物語に乗れなくなってしまうからです。

しかし、本作「ガッチャマンクラウズ」シリーズではアプローチが少し違います。
というのも、本シリーズでガッチャマンが立ち向かう敵は

●「(表面的には)正しい主張・行動をしている存在」

であり、彼らは「相手を騙すための演技」ではなく、世界を本当に良くしようとしているのです。

1期「クラウズ」に登場する敵・CROWDSは、人を超えた力を持つアバターのような存在ですが、その力を人助けやトラブルの収拾など善意の目的に使います。
また、彼らCROWDSを管理するシステム「GALAX」「総裁X」を指揮する人物・爾乃美家累は、「世界を一人一人の手で、内発的に良くしていく」という理念を掲げ、少なくとも黒幕が暗躍し始めるまでは的確にグループを管理していきます。

次に放送中の2期「インサイト」に登場する宇宙人・ゲルサドラは、超能力により日本人一人一人の心を理解し、無駄な出費削減や福祉強化、消費税のダウンなど民衆が望むことを次々と成し遂げます。
そして「皆の心を一つにし、争いをなくす」という意思のもと、日本の総理大臣にまで上り詰めてしまうのです。


最終的には考え方の加速を抑えきれずに暴走し、多大な事件を引き起こす展開になっていくのですが、きっかけは我々が頷いてしまうような、むしろ善意で後押ししてしまうような考え方です。
そう、自分たちの疑いようの無い善意の中に種が潜んでいるのです。
そして主人公・はじめは、誰もが疑わない善良さに異を唱え、かといってそれを排除することもせず、行き過ぎた考えだけを取り除いて最適な形にデザインし直していきます。

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本シリーズのこういった優れた風刺や、それを上手く昇華した物語構造に、自分は大きな魅力を感じています。
もう「インサイト」も折り返し地点。第三期やらないかなあ、と強く願います。