中野Gのスレッド

好きに書く日記でもあり、真面目に振り返る活動記でもあり、未だ見ぬ何かへのマイルストーンでもあります。

映画『猫まんま』(オムニバス「4/猫 -ねこぶんのよん-」内)の思い出

またまた久しぶりの記事になってしまいましたが、
助監督として参加したオムニバス映画『4/猫 -ねこぶんのよん-』が12/18までの期間限定で劇場公開中です。
(本作は4作品からなるオムニバスですが、自分は「猫まんま」に参加しました)

https://pbs.twimg.com/media/CV_ljtSUYAA6AwG.jpg

http://nekobunno4.com/

www.youtube.com

 

本作での経験は、2015年の自分にとってあまりに大きいものだったので、
どういった切り口で語ればいいか未だに整理がつきません。
とりあえず映画としての見どころは各所で語られているので、ここでは自分の体験や思いを時系列順に分けて語ろうかと思います。

 

●参加

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2015年1月頃のこと。
上田監督から「商業で撮ることになったので、助監督やってくれませんか?」との突然の電話。
自分は上田監督の前作『Last wedding dress』でエキストラ管理・演出みたいな事をやっており、とにかく熱心に走り回っていたからなのか感謝されてはいたが、
商業映画の現場には行った事がないし、助監督なぞなおさらだ。

一方で当時、自分は膠着した自身の状況を打開しなければと、色々ともがいていた。このブログで書いた様々な出来事も、何ならこのブログ自体もその一環である。
そんな中で上田さんから話を聞いて、自分は直感的に「バットを振らねば」と思った。
知人を思い浮かべても、自分より適任と思われる人間は何人もいる。適任者は他にもいる、と返答することを考えた。
ただ何はどうあれ、いま自分に打順が来たのだと思い、自分は「やりたいです」と言った。

 

●準備

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日々は嵐のように過ぎ去ったが、その中で一つ誇れる出来事がある。
上田監督の長所でもあり短所でもあるのは、自分ですべての工程を共有しようとする部分だ。人柄も良くマメなので、スタッフとしては助かるしモチベーションも上がる。
2月末だろうか。撮影前の準備終盤、4組の中でトップバッター・最も準備期間が短いという事もあり、様々な調整が未消化だった。
朝起きたらLINEグループの通知が毎日40件を超え、メールや電話があっちこっちに飛びまくる日々。
上田監督はその全てを共有している状態で、負担になっているのは明らかだった。
これはまずいと思い、自分は関係者に「上田さんへの情報共有を禁止し、自分が必要と判断した情報のみを連絡する」と告げた。
そして、その日から上田監督へのCCメールやLINE通知はパッタリと途絶えた(もちろん必要な共有もあるのでゼロではないが)。
準備から撮影まで色々と動いたが、自分の中ではこの判断が一番のナイスプレーだったと思っている。
(なお、こんな状況が起きている時点で自分の落ち度とも言えるが、ここは自分のささやかな成長の喜びに目を向けることにする)

●撮影

f:id:nakano_g:20151213073231j:plain画像引用:上田監督twitter

語ろうと思えば限りなく書けるし、普通に書こうとすると関係者への感謝や反省点の列挙に留まってしまうため、ここでは敢えてガッツリ省略する事にする。
撮影では案の定キャパを超え、様々な工程で数多く怒られ、呆れられ、そして助けられた日々だった。

元々自分は現場の最前線にいないポジションなので、ひたすら次のシーンの準備がどうだとか、明日のスケジュールがどうだとか、
車だ弁当だ精算だとか、そんなことばかりを裏でやっていた。
それなので、制作工程としては一番の盛り上がりどころにも関わらず、あまりそれらしい思い出がない。

真っ先に思い出すのは、お世話になった色々な団体の担当者さんやスタッフへの感謝である。
鉄道会社のXXさんは優しかったなとか、XXさんには無理を色々言ってしまったなとか、一線で活躍しているスタッフの方々には本当に頼りっぱなしだったなとか、そんな事ばかりを思い出す。
もっとドラマティックな思い出は出てこないのかと思ったが、意外とこういったことが本質なのかもしれないと思う。

●宣伝

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自分は、猫という観点から情報拡散できたらと思い、いくつかの猫情報サイトに取材や宣伝のお願いメールを送った。
その中で唯一反応して下さったのが「ねこ経済新聞」さんだ。本編の感想を頂いたり、情報をツイート下さったりと、突然のメールにも関わらず暖かい対応を頂いた。
http://nekokeizai.com/

その他、主に劇場前でビラ配りが行われていたが、自分は結局参加は出来なかった。
別件の撮影や編集納期があったのもあるが、相応しくないと自覚しつつも正直なところを書くと、
未だ完成しない自作品がありながら、人の作品のビラ配りを笑顔でしなければならない辛さに耐えられなかったのだ。
つい最近だが、この時期は非常に精神的に堪えた。

一方で矛盾するようだが、上田監督の情報発信やコミュニケーションのマメさにひたすら尊敬の念を覚えたのも確かだ。
本人の意志力や努力ももちろんあるはずだが、私見では上田監督から他者に与える敬愛と、他者から上田監督へ返ってくる敬愛がうまく循環している良い状態なのだと思う。

●公開

f:id:nakano_g:20151213073623j:plain画像引用:4/猫 公式twitter

公開初日。
始動から約一年をかけて公開された本作、そして何度も来たことのある映画館で自分の名前が映し出されたのを前にし、
こうして振り返ることで、初めてこの経験を「納得」することが出来た。湧き上がる達成感や喜びというよりかは、静かな納得だった。
また打順が来るならば迷うこと無く打席に立とうと思うし、「ありがとうございました」ではなく、「これからもよろしく」と言いたい。
自分は、この経験を納得することが出来た。

 

 

作品は、点ではなく線で見るのが良いと最近常々思います。
ある作品は単一のものではなく、何かや誰かの延長線上に存在し、同時に未だ見ぬ何かへのマイルストーンにもなっているからです。
自分であったり、監督やキャストであったり、知り合いの誰かだったり、本作が結んでいる何かしらの線に興味を持てたならば、
ぜひ本作『4/猫 -ねこぶんのよん-』をご鑑賞頂けたらと思います。
重ね重ね、12/18までの期間限定公開なのでご注意下さい。
http://nekobunno4.com/